エージング進行中 その2

少し他の事をやり出していたため、間が空いてしまいました。
DACアンプに使用している抵抗ですが、終段のパワー系の一部を除き、全て表面実装品を採用しています。リード付きタイプのものだとかなりの種類が既に音質評価済みで選びやすいのですが、今回はあえて冒険してみました。リード付きタイプは巷の評価が良くても一部に鉄が使われていたり、そもそもパッケージがでかいのでコンパクトに配線しにくいという難点があったのですが、表面実装品だとその点で有利だという理由もあります。
今回の製作で一番苦労したのがこの抵抗選定だったりします。Digi-keyやMOUSER等の海外サイトで主に目星をつけ、複数種類購入して音質チェックをしました。
以前はタクマンのREYを使っていたので、それと比較してアドバンテージのあるものを採用しようというところです。結果、2種類が残りました。
1つ目はご存知VISHAYのTNPWというシリーズです。精密級の薄膜金皮です。2つ目はIRCのPFCというシリーズで、こちらも精密級の薄膜ですが金皮ではなく珍しい窒化タンタル皮膜です。リードタイプのタンタル抵抗は一部の方々に好まれているようですがSMT品はまず聞きません。
どちらも誤差±0.1%で、±25ppmという非常に低いTCRのものが手に入ります。1個あたり50-100円と、結構値が張るのですが。。
それだけでなく、重要な点としてどちらも電流雑音がカタログに記載されており、その値が小さい事が挙げられます。PFCはTNPWに比べ更に小さいようです。TNPWとREYがどっこいどっこいというところでしょうか。ちなみにスペックだけでいうとKOAのRN73シリーズが最も優れていましたが、試聴の結果どうしても音が平面的に聞こえ、候補から外れてしまいました。

↑は各CH独立のアッテネータ基板ですが、ここの抵抗をとっかえひっかえして比較しました。写真では1ラインだけTNPW、他は全てPFCです。
つまり私の環境ではPFCの勝利という結果になりました。TNPWは解像感は素晴らしいものがあるのですが若干ドンシャリ傾向になってしまい、どちらかと言うと聞き疲れのする音であったのに対し、PFCは解像感はほぼ互角で、音場感で1歩勝っていたのです。特に前後の奥行きで差が大きく感じられました。しかしTNPWの方を好む人もかなりいそうです。まとめると、上に挙げた抵抗の序列は REY<RN73<TNPW<PFC となります。あくまで私の環境において、ですが。。

↑はアンプ終段部のアップ。温度補償用にVISHAY-DALEのWSLT、電流帰還用に同じくVISHAY-DALEのWSR、容量性・誘導性負荷の補償用にはOHMITEのWNという無誘導巻線抵抗を使用しています。コイルはUEW線を手巻きしてからエポキシで固めました。何回かに分けて塗り固めを行ったので数日を費やしています。

この3週間ほどでもまだエージング途中という感じで、数日単位で良くなったり悪くなったりを繰り返しつつ、全体的にはどんどん良くなっている印象です。当分既製品には興味がなくなりそうです。